金魚の飼育−エラまくれ病


   結論「水換えを怠りなく

経過は以下に順を追って書いていきますが結論から言うと
全ての病気は水質の悪化から始まります。だから何にしても
水換えを怠りなくする事が大切です。

エラまくれ病は1年越しの大和家の病気。

{症状}

命に別状無いけど鰓(えら)が柔らかくなる。
柔らかいから外にカールする。そしてそれが進行すると鰓蓋が溶けてくる。

エラぐされ病と違う点はエラ蓋は異常でもエラは正常だという事。
正常なエラは赤いがエラぐされ病にやられた魚は
次第にエラが白くなって腐って死ぬ。

(クリックすると拡大します)

写真は二千一年十月撮影。
私の出産が7月だったのでその前後は
かなり飼育水が悪化した時期です。

ましてや夏の時期はそれでなくても飼育水が汚れるので
かなりのダメージを受けたようです。

正常なエラの赤い色がわかりやすい写真だと思います。
エラがまくれた初期はエラを閉じている状態では全くわかりません
エラが開いて初めて柔らかいという事に気づきます。
水流で外にカールするようにまくれるからです。

この写真の魚はかなり末期の状態です。エラ蓋が変形しているからです。
このように徐々に溶けて無くなってきます。

最初ヒラヒラと柔らかくなるのもエラ蓋が溶けて薄くなるからだろうと
思っています。

エラまくれ病は遺伝による奇形だとか餌が悪く栄養障害とか言われています
しかし私は上記2つのどちらでも無いと考えています。

残った考えられる病気の原因は、水質の悪化による有害物質
によるダメージまたは外部から進入した菌による感染。
このどちらかです。

   発病 −「水換えをしない時期に

妊娠したので水換えができなくなった。水槽の水を吸い上げてから
残りの水を捨てる時に水槽を傾けたり持ち上げたりしなくてはならない。
力を入れると悪影響を及ぼすので水換えや水槽の掃除が出来なくなった。

お腹が大きくなってくると世話がおろそかになった。
かがむのが出来ないのでフィルターも掃除してなかったり
けっこう金魚にとってはひどい環境のまま飼育していた。

でもこれも出産するまでの間なのでそれまで辛抱してねと心の中で
思っていたが、出産したらもっと大変な育児という事に日々追われた。

これではいけないと慌てて金魚の里親を探した。

でも金魚と言ってもフナ尾の和金や大きなコメット。
里親は見つからない。
その時です、エラまくれ病に気づいたのは。

   「水槽の紹介」〜遺伝では無いという証明のために〜

ヤマト家の両親

   「ヤマト家」

写真は二千年に撮影した産卵前のヤマト家の両親。

父が大和郡山のフナ尾の和金で、
母は白地に赤の入ったコメット。
お腹に卵がいる。

ヤマト家はこの両親から二千年春生まれた家族。

最初に症状が現れたのはヤマト家。
一歳半ぐらいの頃だった。(上のまくれ末期の写真)

   「白家」二千一年4月末〜5月初め生まれ

オス、メス2匹ずつ入れていたら
「暴れ者」と「ハダ」・「母」と「チビ」のカップルになった。

相棒は固定する。つまり
AとBが夫婦ですという風に一度約束した?金魚同士は
同じ相手とずっと夫婦なのです。
どんな約束をしているのかはわからない。どうやって相手を見分けているのかもわからない。

白家はどっちの子供かわからない。体色から考えると
白いのが多かったのでチビの子かなぁと思う。

子供はブリーディングするつもりがなく育ったので
たったの6匹だけ。一匹が素赤、一匹が白
2匹が白に少し赤のスポットがある。残りが更紗
?そんな所かな

   やっていたエサについて


栄養障害ではないという証明のために給餌しているエサの紹介をします。
まぁただの餌ですが、昔はご飯粒やったりうどんやったりしてた人がいる訳
自己流・自作の餌ではありません。


   2代目と3代目の同居

ヤマト家と白家の子供たち

エラまくれ病が出てから半年以上経ってから記憶があいまいだが
ヤマト家の子供たちの水槽の中に白家の子供たちを追加した。

するとどうだろう、想像もしていなかった事が起こった。
全く正常だった白家の子供たちにエラまくれ病が出たのだ。

それまでこの病気自体が初めてだったので十分に防御は
してきたつもりで、エラ蓋がやられている以外は元気に
泳ぎ回り注意しだしてから病状にも変化は無かったように
思っていた。その様子から移らない病気なのだと思って
他の水槽から金魚を入れたところ1ヶ月か2ヶ月後には
発病していたのでとても驚いた。

しかも正常な個体が発病するということは、まだ
水槽の状態が正常に戻っていないという証明。
エラがおかしくなってから出来るだけ水換えを
頑張ってこれでもかコレデモカという程した。

それでも発病したのにはさすがにショックだった。
この事からも推測できるが、エラまくれ病の原因物質が
水槽内に発生すれば通常の水換えでは取り除けない
というのが分かる。

   一年後の症状 〜結果〜


(クリックすると拡大します)

写真は二千二年8月撮影。

ページ上部掲載の写真から約一年が経過したとき、
気づくとエラ蓋の欠損部が一部再生していた。

(再生部は白くなっている部分)

一年で数ミリということから考えると、微少にしか再生しないというのが分かる。
元に戻ろうとする力はあるようなので、根気強い水換えを行っていたとすれば
もっと復元していたように感じる。超多忙が峠を越えたとはいえ
まだまだ乳飲み子をかかえての金魚飼育には手が回らないのが現状で
そこまで丁寧な世話をしてやれなかった。

だがこの気づいた時(8月の終わりだった)は活動が最盛期で
もっとも水が汚れる時期だったので、頻繁に水換えをしていた時だった。
それが幸いしたのかエラ蓋の再生が見られた。

鱗が欠落した経験のある方も居ると思いますが、鱗の場合も再生したら
最初は白くなって生えて来た後で、徐々に元来の色が復元されてくるでしょう、
このエラ蓋の再生部が白くなったのもそれと同じ様な現象です。

クリックして拡大された写真は別の魚のものです。
このように、どの魚も発病は片エラのみ出ます。

片エラだけが障害を受けることから体内に進入した毒素などは
何らかの仕組みで片側に集まって排出されるのではないかと
思いついた。またはどちらかのエラが反対側のエラより
性能が高く、
大量に出る方のエラ蓋が被害を受けるのではとも
思うけれど、自然に備わった体の防衛機能みたいなものが
金魚にもあるのではないかと思ったのです。
偉い学者にエラの吐水量実験でもしてもらいたいなぁ。

        注:訂正個所は「二年後の報告」を参照
  1. 鰓まくれ病は、片エラのみ被害をうける。
  2. エラ蓋は、微量ずつだが再生はする。
  3. 鰓まくれ病は、遺伝ではない。
  4. 鰓まくれ病は、幼魚期になりやすい。
  5. 鰓まくれ病は、水温33度から高確率で発生する。
  6. 鰓まくれ病は、栄養障害ではない。
  7. 鰓まくれ病の原因物質は通常の部分換水では除去できない。


私は最終的に、硝酸塩のせいではないかと思う。
違うかもしれないけど。

水換えの水質検査のデータでわかったことは
亜硝酸は多めの水換えで3回目ぐらいに完全安全値に到達
したが、硝酸塩はその後も危険値から戻ることがなかったので
最後は全換水してバクテリアの液を添加する方法をとった。
この事からも容易に改善できる亜硝酸より、
硝酸塩の影響でこの病気がおこるのではないかと考えた。

細菌など目に見えない生物の可能性も残るが
そこまで判断できる現象は確認できてない。


良くある「エラ病」は金魚が弱ってエラが開いたまま
閉じなくなってその内死んでしまうがこの病気は死なない。
エラ病もこれも飼い主の環境不備が原因なのは同じだが
こっちの方がより怠慢だと言える。

どちらの病気も、気づいたらすぐに環境を万全にしてやることが
大切ですね。

   二年後の報告 〜一部訂正〜

[画像2]
写真は2003年8月31日撮影。

鰓薄板の白くなった部分はこのページの下部にも述べていますが
事故により、水道水中に含まれる塩素によるダメージをおったものです。



さらに一年(エラまくれから2年)が経ちました。
その間に観察の結果、気づいたことがひとつ。

以前えらまくれは片エラのみの被害だと書きましたが、
書いた直後、よく見ると両方なっているのもいたのです。
それから更に動きを監察していると、
被害の度合いはその魚の泳ぎ方に起因していることに
気づきました。

簡単に言うと魚の泳ぎ方の癖です。ターンする時に
右回りばかりするクセの魚は左エラ蓋、左回りばかり
する魚は右エラ蓋が、よりダメージが大きかったのです。
ターン時に外側になるエラからの水量がもう一方に比べて
多くなるので、日々の積み重ねで結果的に片側だけが
「まくれた」ように見えていたのでした。

だから以前書いた「水が大量に出る側が被害を受ける」
というのはあっていましたが、本能でもなんでもなく
ただの癖と判明しました。

[画像1]  [画像3]  [画像4]  [画像5]

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命には別状ない病気なので今年も元気ですが
エラが無防備に露出しているので、
発病後の飼育は気を付けたいところ。


今年でエラまくれ病の報告は終わりとします。

ろ過材を長い間洗わずにドロドロになるまで汚物をためると
必ずエラまくれ病になるということを最後に書いておきたいと思います。



   五年後の報告 〜結論〜

エラまくれは何故起こるかというのが、本当に判明した!
今までの観察の中では「酸素が足りなくなった時に出る」
という結論が出た。ただこの一つの原因に尽きると思っている。

酸素が足りなくなる要因にはいくつかあって
1.魚が多すぎる。
2.水をかえてなくて汚すぎる。(溶存酸素不足)
3.夏だ(水温が高くなり溶存酸素が減る為)

思いつくにはそんな所だけど要するに溶存酸素が少ない時に魚が
呼吸をパカパカしてエラがまくれる。これは元気で良く餌も食べ
活発に動きまくる魚ほどなりやすいので、期待の1匹がエラまくれに
なる場合も多い。

溶存酸素について説明すると
水が美しい時には多くの酸素を含むキャパがあるが、汚れて来ると
酸素が溶け込むことが出来にくい水に変化する。
それで飼育を続けるとテキメン鰓まくれが来る。

大事に飼育しているから水かえも頻繁にしているよという飼育者も
魚を数入れすぎている為に1匹ずつに酸素が足りず発生する事もある
という事を念頭において飼育数は決めるのが最良。

ついでに書くと『だったら青水ではOKか』と思って飼育するも
何日も水かえなく過ごすと一番餌食いが良い魚が夜にまくれになる。
飼育数と水かえの頻度を気をつけていれば防げるという結論に達した。
以上〜報告、本当に終わり〜

   発症後の処置 〜番外編〜

鰓蓋が変形してくる前段階として、鰓蓋が開いた時のみカールする頃
薄皮のみを手術によって除去すると鰓蓋までの変形が防止できる。

それには小型のはさみを使い余り力を入れずに鰓蓋の縁に沿って
薄皮だけを切り落として行くと良い。
この作業時に注意することは、バタバタする前のヒレを一緒に切除
してしまわないように気をつけること。
胸びれは魚にとっては手のような物で暴れると必ず前に後ろに動かす
ので、水中でなければ角度によっては見えない場合があり体側にピタッと
くっついてしまえば間違って切ってしまうこともあるようだ。

第二の注意点は、胸びれから下あごにかけても薄皮を見落とさないこと。
胸びれの所は特に薄皮が外にカールしてしまった後も伸び続けているので
そこに接触しているか、あるいはヒレの付け根にかぶっている程伸びている。
だからそれを放置して鰓蓋の一番開く所だけ切ってもまた曲がって伸びて
きてしまうので折角手術しても再発してしまったということになってしまう。
この部分は見落としが無いように注意してください。




   「よくあるエラ病」について


エラ病を私流に分けると、「よくあるエラ病」と「真のエラ病」の2つに
分けることができます。
「真のエラ病」は寄生虫性です。
「よくあるエラ病」は細菌性エラ病です。

これは「エラまくれ病」掲載写真のエラ部分のみの拡大写真。
えらは例えると日よけ(ブラインド)を閉めた状態を横に
したようになっています。これを鰓薄板といいます。

写真が鮮明でないので黒い線を引いておきました
上記エラまくれ[画像2]も鰓薄板の境目が白いので
わかりやすいかも。

鰓病が進行するとこの鰓薄板が粘液の分泌により厚くなってきて
互いに癒着してしまい、空気を取り込めなくなり死んでしまいます。

(ブラインドの板の一枚一枚がくっついてしまった状態です。)


細菌性エラ病は水温が15℃から25℃の範囲でおこります。
ただし25℃から上になった時期でも発病初期が25℃辺りの
場合は細菌が耐性を持ち28℃ぐらいまでなら死滅しないので
夏の時期には30℃〜32℃のヒーター設定で殺菌が必要です。

発病した時より最終的に5℃高くなるように設定すると殺菌される。
ただし上限は32までが無難。死ぬよりマシと考える場合は33や34℃も
考えられるが高温になると鰓まくれなどの危険も出るので気を付けること。


これは他の細菌性の病気の項でも述べていますが、30℃の
設定で夜間も必ず実測値が28℃を下回らないようにする
のがポイントで水槽のどの部分ででもそれを下回っている
場所や時間帯があればそこで生き延びるので治療や加温を
しているのになかなか病気が回復しないという結果をまねきます。

それから寒い時期に細菌性の病気にかかった水槽では
冬眠明けは要観察です。

暖かくなって15℃に突入する頃、細菌が活発になり
繁殖する場合もありますので、水槽のコンディションを
確実に整えた自信がない場合は注意が必要です。

また確実に殺菌した場合でも元の細菌がはびこる原因となった
ものを取り除かない限りまた再現はあり得ますのでどうして
細菌が出来たか、よく考えて環境の改善もまた時には。

原因:飼育過密     左記原因から水が濁り、
    給餌過多     溶存酸素の低下、アンモニア増加

特徴:感染魚はまず餌を食べなくなる。群れを離れて
水面近くをふらふら泳ぐ。進行すると粘液が多く出て
エラ蓋が閉まらなくなる。エラはうっ血、腫脹する。
最後は呼吸ができなくなって死ぬ。

治療は塩水浴を濃度により短時間か数日間おこなう、または
細菌性の病気の項で書いてある通り抗生剤で薬浴させる

   エラの被害 〜冬眠明け〜


追加で2005年に起きた緑えら病を載せておく。(エラが緑になる所から私が命名)
写真は両方ともとても重いサイズなので見る時はその環境の場合のみ見てほしい。

写真1はエラ一枚を切除した時に裏にたまっていた物質を撮影したもの。
写真2はエラの裏に詰まっていたジェル(写真1)の中身の超拡大写真が見れる。
写真1のような物が詰まって血液の流れを阻害し窒息にいたった。
血液が流れなくなった部分は赤みが失せ真っ白やピンク色になった。
阻害されなかった部分も藻類で細部まで埋め尽くされて緑色になった。
緑色になったエラの写真は金魚の目なども写っているので載せられない。夢を見そうな写真だ。
1枚目   ・2枚目
冬眠明けの水かえを失敗し、微少の藻類をエラにびっしりつまらせてしまった。
ろ過器なら洗えば取れるがエラの中にいったん詰まればもう取れない。
いわゆるゴミなので消毒でも薬浴でも除去出来ない。

とても神経質になることはないけれども、超〜汚い水の中に金魚をひたして
おかないように、春先の最初の水かえだけは、飼育水の上水の澄んだ部分を
静かに別容器に金魚と共に取ってから容器を洗うことをオススメする。
時期を間違えると冬の間に腐ったものやカビたものなどがたまっているので
細菌もすぐに繁殖しやすい状態になっている。
そのままエサを与えたりすると取り返しのつかないことになる点は把握しておくと良い。



   塩素の中和とエラの被害 〜事故〜


水換えの時、ハイポを入れろとか塩素中和剤を入れろ、
カルキ抜きを入れろと書いてあるのを良く目にします。

面倒だし元気に泳いでいるからイイッカなんて思ってると
知らない所で金魚のエラ組織が死んでいます。

塩素に漬かっている時間に比例してエラは死んでいくので
ほんの短時間ならと直接の水道水を入れてからカルキ抜きを
入れたりしている飼育者は長年の積み重ねで知らずのうちに
金魚の寿命を縮めていることになります。

組織はたくさんあってそれがエラを構成しているのですから
一部分死んでも金魚の命にはさしあたり別状ありません。

でもその死んだ部分はもう治らないです。
人間で言うと肺胞のようなものです。肺に汚い空気を吸い
肺胞がつぶれるともう治らないですよね、それでも
肺胞はたくさんあるので人間はすぐに息が出来なくなって死ぬ
なんて事はありません。金魚のエラもちょうど同じ、
それを頭に入れておいてほしいと思います。

私は浄水を利用しています。ある日子供と外で水換え。
ホースで水をいつものように入れ、その後、たまたま
塩素チェックの薬剤を使ってみた。これは本当にたまたまでした。

無色のはずの検査薬が変色したのです。

頭が一瞬白くなり、そこで目に入ったのは小さいレバー。
少し動いていて原水が混入していたのを知り中和剤を入れた。

それからは事故を防ぐためにレバーを針金で固定。
一時間かもしくは二時間の塩素さらしだったが
それだけでもエラのダメージはドキッとさせられる状態。[画像2]

組織が死んで白くなった表面はそれから一年経っても全く変化なし。

エラまくれ軍団なので通常見えない部分も露出している。
普通はエラ蓋が無い金魚なんて無いので見えないことで
イコール元気だろうと誤解している。あなたの金魚は!?

余談ですがタバコ吸ってる人も良く考えて増税のおりに
禁煙はどうですか?中和剤ハイポではなくてパイポとかで.

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